ベンチ横の街灯に照らし出されているのは、どうか考えても蛇。
蛇になった人間…
いや、人間みたいな蛇?


「おいおい…未知の生命体発見だよ…」


コブラのような大きな頭に怪しく光る濃い深緑の皮膚。
左腕は尻尾みたいになっていて、右腕には一匹の大蛇。


「げ、現実だよな?…なに?撮影かなんか?」


有り得ない状況に頭の中がぐわんぐわんと揺れている。


「シャーッ。お前はここで終わりだ。俺のこの姿を見て生きている奴は一人もいない。」


チロチロと口から出る細い舌。


「や、やべ…意味わかんないって!!!」


「シャーッはっはっ…人間みたいな下等な生物には到底理解できないだろうな」


頭のコブラと右腕の大蛇が笑っている。




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