「実はさ…月末まであと十日…全財産三百円なんだわ」 毎日、財布を持ち歩くのを悩むくらいだよ。 「あ、え!?おごりますよ、おにぎりくらい!なんならお茶も買ってきます!」 慌てて走り出す青年。 いい奴だ。 「待っててくださいね!絶対戻ってくるんで!」 「おうよ。餓死しないうちに頼むな!」 公園から出ていく青年を見送って、ベンチに腰をかける。 .