【完】君の隣で愛を捧ぐ①

「なんでもっと早く来ないわけ? 襲われてたじゃないの。まったく・・・。で? 莉乃ちゃんは無事?」


怒られながらも長谷川を気にする姉貴が心配そうにしていたからちょっとだけ嬉しくなった。

本当に長谷川を気に入ったんだと感じた。


「あぁ。少し震えてたけど元気だったから平気だろ」


手を握って控え室に向かう時に小さい手が小刻みに震えているのに気付いていた。


「なに言ってるのよ! 女はね元気なフリを平気でしちゃうんだからっ!!」


また姉貴に怒鳴られてしまった。

でもさっきより強く。


本当に長谷川が心配なんだなと感じながらも長谷川の不安そうな顔を思いだす。