よく見ると小さい女の子が矢を放っていた。

「…あんなちいせぇ女がうってたのかよ…。信じられねぇー」

俺は心底驚いたんだ。

だってあんな女が的のド真ん中を当てたなんて。

そうとう弓道が好きなんだと考えていた。


…けれど、女は嬉しそうな喜びさえ聞こえてこないから不思議に思ってしまったんだ。

なんで喜んでねぇーんだよ?


しばらくすると女は座り込み泣いていた。

そしてポツリと呟いたんだ。

「…こんなんじゃ駄目……。もっと…もっと上手くならなきゃ…!!」

夕方の光に照らされている女の瞳が強く…そして射抜くようなその目にドキッとしてしまった。