やっぱり黒姫の方が格が上だ。

莉乃は歯を食いしばり、黒姫を見上げている。

黒姫は宙を浮き、莉乃を見下ろしている。

莉乃はかすり傷をいっぱいしているが黒姫はかすり傷1つなかった。

莉乃は弓矢を持ち、黒姫を視点に定める。


「 あら? そんな弓矢1つであたしに勝とうって思ってないわよね? 術の方がいいと思うわよ? 」

「 わたしは...気持ちの問題だと思うの。弓矢で勝てないなんてわたしは思ってないっ! 」

「 はぁ? 分かんないの? あたしはあなたより術は上なのよ? なのにそんなひ弱な矢では勝てないわ 」


莉乃はちらりと涼太くんの方を見た。

涼太くんは心配そうにこちらをみていた。

でも莉乃は笑顔で微笑んだ。

今までにないくらい美しい顔で....


『 今までありがとう 』


の意味を込めて....