莉乃は急いで車に乗り込む。

お父さんが莉乃の顔を覗き込む。


「 どうかしたのか? あれって友達だろう? いいのか? 」

「 ・・・・・もう・・・いいの。進んで・・・ 」


髪の毛が濡れていて綺麗な椅子に滴る。

車がゆっくりと進む。

真子ちゃんの顔や長谷くんの顔を見ないまま・・・。

莉乃は下を向いて泣いていた。

父はなにも聞かないでくれた事が嬉しかった。

莉乃は涙が乾くまで泣いた。