今、莉乃の耳に残っているのは雨の音だけ。

そして莉乃の心は・・・嫉妬心と孤独感だけ・・・だった。


――――・・あの時の長谷くんの顔・・・まるで恋人を見る目だったよね・・・。

わたしにはあんな顔してくれなかった・・・。

当然だよね。恋人同士じゃないんだもんね・・・。

でも悔しいんだ・・・。

あんな楽しかった日々が嘘だったなんて・・・。

1人で舞い上がってるからいけないんだよね・・・。

罰が当たったんだな、多分。


後ろで真子ちゃんや長谷くんが追いかけてくるのが分かる。


――――・・なんで? なんで追いかけてくるの?

苦しいだけなの・・・やめて・・・っ!