俺は急いで、交番へ行った。


「お巡りさん、お巡りさん・・。剛が剛が・・。」

俺はパニックになって、剛の名前を何回も何回も読んでいた。

「落ち着いてください。どうしましたか?」

「友達の剛と遊んでいたとき、ある人に誘拐されたんです」

「えっと、特徴とか覚えているかな?」

えっと、たしか、黒のジャンバーにジィーズだった気がする。

あと、手袋をしていて、

マスクをかけていた。

俺は正確に記憶を思い出して、お巡りさんに詳しく伝えた。

「確か、黒いジャンバーに、ジィーズ。手には、手袋をしていて、マスクをかけていた」

お巡りさんがびっくりしたような顔で言った。


「僕はずごいね。そんなに覚えているなんて・・。」

今、思えば、犯罪者にあんな言葉を言っていたなんて、ばかばかしくなった。