「アラン様、失礼致します。あちらの店主がエミリー様にお休みいただくよう、申し出ておりますが」
ウォルターに声をかけられ見やると、白髪交じりの男性が丁寧に頭を下げた。
「外は冷えます。ベッドは御座いませんが外よりは居心地がいいでしょう。是非、お使い下さい」
「・・・・ウォルター、君は犯人を城に連行せよ。刑罰その他については後に国王と協議の上決定致す。・・・ウィリアム長官殿、それまで我が城に滞在するが良い。ウォルター手配を頼む」
「承知いたしました。サディル国の方々、どうぞこちらに」
厳しい顔つきのまま崩れることなく頭を下げた長官の顔を一瞥し、パトリックが支える扉を潜りエミリーを抱えて店内に入る。
間際、市場警備たちに続けて護衛するよう指示するウォルターの声が聞こえた。
案内された店の色彩は黒と白で統一され、清潔で落ち着いた雰囲気がある。
まだできたばかりの様子で調度品も新しい。
正面にある黒いカウンターを超えると、大きな鏡と椅子が目に入った。
ハサミや櫛などが乗せられた棚、大きな洗面台、一目見てここが理容店だということが分かる。
閉店間際なのか、客はおらず広々とした店内には店主一人しかいない。
店内はあたたかく、エミリーを休ませるには申し分のない場所だ。
「クッションを集めてご用意いたしました。寝心地は悪いかもしれませんが・・・。こんな場所で申し訳ありませんが、こちらにどうぞ」
店主はそう申すと、いそいそと店の奥に引っ込んでいった。
背の高い黒いボードで区切られたスペースに入る。
左隅に低いテーブルが置いてあり、正面の奥にはクローゼットがある。
右側の壁際に置かれた背もたれのないソファの上にクッションがぎっしりと敷き詰めてあった。
恐らく近所の店にも声を掛け、急いでかき集めて準備したのだろう。
色彩も形もバラバラだ。
ふわふわのクッションの上にそっと下ろし寝かせる。
髪を整え、パトリックの上着をかけなおし、自らも上着を脱いで上に重ねた。
ここならば時期に温まるだろう。
「失礼致します。お口に合うか分かりませんが、お茶をどうぞ。温まります」
「気遣い、有り難く頂くよ。あぁ、危ない・・・こちらに貰おう」
パトリックが店主からトレイを受け取りテーブルの上に置いた。
黒いカップからほんわりと湯気が上がり、アールグレイの香りが漂ってきた。
レオナルドがカップを取りながら心配げな声を出した。
「アラン、少し強かったんじゃないのか?」
「いや・・・心配には及ばぬ。すぐに気付くよう加減したつもりだ」
「そうか、ならいいんだが」
眠るエミリーの顔を覗き込むレオナルド。
その横でパトリックが何か考え込むような表情をしていた。
「・・・アラン、いいか?少し、聞きたいんだが・・・」
ウォルターに声をかけられ見やると、白髪交じりの男性が丁寧に頭を下げた。
「外は冷えます。ベッドは御座いませんが外よりは居心地がいいでしょう。是非、お使い下さい」
「・・・・ウォルター、君は犯人を城に連行せよ。刑罰その他については後に国王と協議の上決定致す。・・・ウィリアム長官殿、それまで我が城に滞在するが良い。ウォルター手配を頼む」
「承知いたしました。サディル国の方々、どうぞこちらに」
厳しい顔つきのまま崩れることなく頭を下げた長官の顔を一瞥し、パトリックが支える扉を潜りエミリーを抱えて店内に入る。
間際、市場警備たちに続けて護衛するよう指示するウォルターの声が聞こえた。
案内された店の色彩は黒と白で統一され、清潔で落ち着いた雰囲気がある。
まだできたばかりの様子で調度品も新しい。
正面にある黒いカウンターを超えると、大きな鏡と椅子が目に入った。
ハサミや櫛などが乗せられた棚、大きな洗面台、一目見てここが理容店だということが分かる。
閉店間際なのか、客はおらず広々とした店内には店主一人しかいない。
店内はあたたかく、エミリーを休ませるには申し分のない場所だ。
「クッションを集めてご用意いたしました。寝心地は悪いかもしれませんが・・・。こんな場所で申し訳ありませんが、こちらにどうぞ」
店主はそう申すと、いそいそと店の奥に引っ込んでいった。
背の高い黒いボードで区切られたスペースに入る。
左隅に低いテーブルが置いてあり、正面の奥にはクローゼットがある。
右側の壁際に置かれた背もたれのないソファの上にクッションがぎっしりと敷き詰めてあった。
恐らく近所の店にも声を掛け、急いでかき集めて準備したのだろう。
色彩も形もバラバラだ。
ふわふわのクッションの上にそっと下ろし寝かせる。
髪を整え、パトリックの上着をかけなおし、自らも上着を脱いで上に重ねた。
ここならば時期に温まるだろう。
「失礼致します。お口に合うか分かりませんが、お茶をどうぞ。温まります」
「気遣い、有り難く頂くよ。あぁ、危ない・・・こちらに貰おう」
パトリックが店主からトレイを受け取りテーブルの上に置いた。
黒いカップからほんわりと湯気が上がり、アールグレイの香りが漂ってきた。
レオナルドがカップを取りながら心配げな声を出した。
「アラン、少し強かったんじゃないのか?」
「いや・・・心配には及ばぬ。すぐに気付くよう加減したつもりだ」
「そうか、ならいいんだが」
眠るエミリーの顔を覗き込むレオナルド。
その横でパトリックが何か考え込むような表情をしていた。
「・・・アラン、いいか?少し、聞きたいんだが・・・」


