「パトリック、来ていたのか」
「あぁ、君たちが忍びで出かけたと聞いてね・・・だが、まさか私の目の前でっ―――アラン・・・すまない・・・」
「いや・・・手を離した私が悪い・・」
「アラン、君が指示を出してくれ。私が行こう」
「・・・良い。私が行く。皆は、下がっておれ」
低く響くその声に反応し、皆がささと後ろに後退りをし道を開けた。
目深にかぶっていた帽子を取り、パトリックに預ける。
帽子に収まっていた銀の髪がサラ・・と肩に零れた。
「王子様だ・・・」
「え?王子様だわ」
「じゃ、あそこでつかまってるのは、王子妃様なの・・・?」
「なんてことだ」
背後にいる野次馬たちから小さな囁きが聞こえてくる。
犯人の腕の中で震えるエミリー。
小さな頬は犯人の手に寄って半分以上隠され、アメジストの瞳が不安げに私を見つめる。
―――怖いであろうに・・・気を失っておらぬのか・・・。
すまぬ、私が手を離したばかりに。
君をこのような目に合わせてしまうとは、夫失格だな。
だが、あの男、よりによって私の妃を人質に取るとは。
夜も眠れぬほどの恐怖を与え、その命が尽きる最後のひと時までこのことを後悔させてやろう。
悪いが手加減はせぬ・・・彼女を怯えさせた罪は、重い。
だが、その前に・・・。
エミリー、すまぬが気を失って貰うぞ―――
今までただの一度も向けたことのない、使用しているところを見せたこともないアランの威厳ある王子の覇気。
ただの威厳なら以前君に使ったな。
だが今から放つのは、それとは比べ物にならぬ。
あまり強くすると夜まで目を覚まさぬゆえ、加減せねば・・・。
手加減をしつつビリッと放つとアメジストの瞳が閉じられ、力なく崩れていく。
その身体を「何だ、どうした」と言いながら犯人が慌てて抱え直した。
―――エミリー、恐ろしい想いをさせてすまぬな・・・
もう少々の我慢だ。今、助ける―――
「あぁ、君たちが忍びで出かけたと聞いてね・・・だが、まさか私の目の前でっ―――アラン・・・すまない・・・」
「いや・・・手を離した私が悪い・・」
「アラン、君が指示を出してくれ。私が行こう」
「・・・良い。私が行く。皆は、下がっておれ」
低く響くその声に反応し、皆がささと後ろに後退りをし道を開けた。
目深にかぶっていた帽子を取り、パトリックに預ける。
帽子に収まっていた銀の髪がサラ・・と肩に零れた。
「王子様だ・・・」
「え?王子様だわ」
「じゃ、あそこでつかまってるのは、王子妃様なの・・・?」
「なんてことだ」
背後にいる野次馬たちから小さな囁きが聞こえてくる。
犯人の腕の中で震えるエミリー。
小さな頬は犯人の手に寄って半分以上隠され、アメジストの瞳が不安げに私を見つめる。
―――怖いであろうに・・・気を失っておらぬのか・・・。
すまぬ、私が手を離したばかりに。
君をこのような目に合わせてしまうとは、夫失格だな。
だが、あの男、よりによって私の妃を人質に取るとは。
夜も眠れぬほどの恐怖を与え、その命が尽きる最後のひと時までこのことを後悔させてやろう。
悪いが手加減はせぬ・・・彼女を怯えさせた罪は、重い。
だが、その前に・・・。
エミリー、すまぬが気を失って貰うぞ―――
今までただの一度も向けたことのない、使用しているところを見せたこともないアランの威厳ある王子の覇気。
ただの威厳なら以前君に使ったな。
だが今から放つのは、それとは比べ物にならぬ。
あまり強くすると夜まで目を覚まさぬゆえ、加減せねば・・・。
手加減をしつつビリッと放つとアメジストの瞳が閉じられ、力なく崩れていく。
その身体を「何だ、どうした」と言いながら犯人が慌てて抱え直した。
―――エミリー、恐ろしい想いをさせてすまぬな・・・
もう少々の我慢だ。今、助ける―――


