「ん―――これは・・乾燥した・・木の根のように見えるが。君への贈り物ならば、香木ではないのか?一応説明書きのようなものはあるが、これはあちらの国の文字で、私には簡単な単語しか読めぬ。他にはないのか?」
「ふむ・・・成程、香木か。そう見えなくはないな」
君らしい、尤もな答えをくれる。説明書きは確か・・・。
侍女長の言葉を思い出し、手が不自由ながらも同封されたメモを探しだし取り出してみる。
そこにある、国王の文字で書かれた文言を読みアランと二人して眉を寄せつつ首を傾げた。
“少量ずつ削り取り、煮出して飲むべし”
「飲む、ものなのか・・・これが?」
乾燥してひょろりとしているそれは、小袋の中、更にツルツルとした手触りの透明な袋に入れられていた。
封を開ければ独特な香りが漂い来て思わず顔をしかめる。
香木でないことだけは、確かだ。
「パトリック・・・私が思うに、これは一種の茶なのではないか?」
木の根を取り出し、眺め回しながら彼はそう言う。
「お茶、だと思うのか?」
これが?
いやいや、国王を疑うわけではないが、どう見てもこれは茶には見えない。
飲みものとは、全般的に美味いものだ。
だがこれは香りから味を想像するに、どう贔屓目に考えても美味しくなさそうなのだ。
言うなれば、そう、まるで苦い薬のような―――
「そう。エミリーの国の民は紅茶を好み、日常からお茶の時間を大切にするゆえ。これも高級な茶の一つかもしれぬぞ。異国の文化は時に理解し難いこともある。エミリーに聞けばわかるだろう」
その説明書きについても聞いておこう、手を差し出しながらそう言うので、頼むよ、と小袋ごと渡した。
ポケットに仕舞う様子を見ながら密かに祈る。
妙な物ではないことを。
何と言っても、茶目っ気のある国王からの贈り物なのだ。
アランとは違い、私の思考を理解されるお方でもある。
今日一日で起こった朝からの流れに、一抹の不安を感じつつも塔に向かうアランの背中を見送り、急ぎ帰り支度をして長官室を出る。
随分と時がかかってしまった、アランの言う通り、シンディが待ち焦がれているだろう。
さて、どうやってご機嫌を直そうか。
サリーのケーキも、手に入らなかったからな――――――
「出してくれ」
「ふむ・・・成程、香木か。そう見えなくはないな」
君らしい、尤もな答えをくれる。説明書きは確か・・・。
侍女長の言葉を思い出し、手が不自由ながらも同封されたメモを探しだし取り出してみる。
そこにある、国王の文字で書かれた文言を読みアランと二人して眉を寄せつつ首を傾げた。
“少量ずつ削り取り、煮出して飲むべし”
「飲む、ものなのか・・・これが?」
乾燥してひょろりとしているそれは、小袋の中、更にツルツルとした手触りの透明な袋に入れられていた。
封を開ければ独特な香りが漂い来て思わず顔をしかめる。
香木でないことだけは、確かだ。
「パトリック・・・私が思うに、これは一種の茶なのではないか?」
木の根を取り出し、眺め回しながら彼はそう言う。
「お茶、だと思うのか?」
これが?
いやいや、国王を疑うわけではないが、どう見てもこれは茶には見えない。
飲みものとは、全般的に美味いものだ。
だがこれは香りから味を想像するに、どう贔屓目に考えても美味しくなさそうなのだ。
言うなれば、そう、まるで苦い薬のような―――
「そう。エミリーの国の民は紅茶を好み、日常からお茶の時間を大切にするゆえ。これも高級な茶の一つかもしれぬぞ。異国の文化は時に理解し難いこともある。エミリーに聞けばわかるだろう」
その説明書きについても聞いておこう、手を差し出しながらそう言うので、頼むよ、と小袋ごと渡した。
ポケットに仕舞う様子を見ながら密かに祈る。
妙な物ではないことを。
何と言っても、茶目っ気のある国王からの贈り物なのだ。
アランとは違い、私の思考を理解されるお方でもある。
今日一日で起こった朝からの流れに、一抹の不安を感じつつも塔に向かうアランの背中を見送り、急ぎ帰り支度をして長官室を出る。
随分と時がかかってしまった、アランの言う通り、シンディが待ち焦がれているだろう。
さて、どうやってご機嫌を直そうか。
サリーのケーキも、手に入らなかったからな――――――
「出してくれ」


