確かここに来る時にもいなかったはず・・と、しきりに首を捻る。
―――それは・・・ではあの二人が。
まさかあれがそうなのか?
・・何ということだ、この私が全く気付かなかったとは―――
サルマン事件で活躍した、リール率いる密の者たちが思い浮かぶ。
国王付の彼らは侵入捜査を目的として作られた、特殊な訓練をうけた団だ。
中には女性もいる。
その者たちと同等の力を持つというのならば、もう既に城外に逃れられている可能性が高い・・・それに―――
「モルト、頼みがあるんだが―――」
何でしょう?と言う耳にだけ聞こえるよう、小声で伝える。
と、一瞬難しい顔つきになったが、分かりましたやってみましょう、とすぐさま動いてくれた。
恐らく彼ならば容易いことだろう。
「こんにちは。エミリー様、お久しぶりで御座います。今日は、こちらを散策ですか?」
「モルトさん!こんにちは!そうなの。今日は、この方、サリーさんが来てるものだから、薔薇園をご案内してるところなの」
モルトが声をかけると、エミリーの表情が一段と輝き、傍にいたサリーの腕をぐいっと引張り心底嬉しそうに紹介を始めた。
アラン、君がこの表情を見られないとは、何とも実に残念で、気の毒なことだよ。
「でね、サリーさん、この方はモルトさん。お城のお庭を手入れして下さってるの。このお城に欠かせないお方の一人なの」
ひとしきり互いに挨拶を交わし合う二人。
店の案内をするサリーの話に、おぉ!あの有名な!とモルトが受け合っている。
やはり、誰もが知っているのか。
会話が一旦途切れたのを見計らい、モルトはエミリーに話しかけた。
「そうそう、エミリー様。内緒のお話があるんですが・・・よろしいですか、失礼します」
え?なに?と言ってキョトンとする彼女に、何やら耳打ちをするモルト。
見開いていくアメジストの瞳がどんどん輝きを増していく。
何を聞いているんだろうな。
「モルトさん、それは本当なの?」
「はい。今からご覧になりますか?すぐにご案内できますよ」
「あ、でも―――今はやめておくわ」
残念そうに薄く微笑み、首を横に振るエミリー。
その傍にいるサリーに、モルトは物言いたげな視線を投げた。
「あ、あぁ、王子妃様?私はいいよ。行ってきなよ。離れるのはほんの少しの間だけだろ?私は、えーと・・・警備責任者っていう・・」
「―――ウォルター、です」
「そう、このウォルターさんと一緒にここで待ってるからさ。行ってきなよ、ね?」
―――それは・・・ではあの二人が。
まさかあれがそうなのか?
・・何ということだ、この私が全く気付かなかったとは―――
サルマン事件で活躍した、リール率いる密の者たちが思い浮かぶ。
国王付の彼らは侵入捜査を目的として作られた、特殊な訓練をうけた団だ。
中には女性もいる。
その者たちと同等の力を持つというのならば、もう既に城外に逃れられている可能性が高い・・・それに―――
「モルト、頼みがあるんだが―――」
何でしょう?と言う耳にだけ聞こえるよう、小声で伝える。
と、一瞬難しい顔つきになったが、分かりましたやってみましょう、とすぐさま動いてくれた。
恐らく彼ならば容易いことだろう。
「こんにちは。エミリー様、お久しぶりで御座います。今日は、こちらを散策ですか?」
「モルトさん!こんにちは!そうなの。今日は、この方、サリーさんが来てるものだから、薔薇園をご案内してるところなの」
モルトが声をかけると、エミリーの表情が一段と輝き、傍にいたサリーの腕をぐいっと引張り心底嬉しそうに紹介を始めた。
アラン、君がこの表情を見られないとは、何とも実に残念で、気の毒なことだよ。
「でね、サリーさん、この方はモルトさん。お城のお庭を手入れして下さってるの。このお城に欠かせないお方の一人なの」
ひとしきり互いに挨拶を交わし合う二人。
店の案内をするサリーの話に、おぉ!あの有名な!とモルトが受け合っている。
やはり、誰もが知っているのか。
会話が一旦途切れたのを見計らい、モルトはエミリーに話しかけた。
「そうそう、エミリー様。内緒のお話があるんですが・・・よろしいですか、失礼します」
え?なに?と言ってキョトンとする彼女に、何やら耳打ちをするモルト。
見開いていくアメジストの瞳がどんどん輝きを増していく。
何を聞いているんだろうな。
「モルトさん、それは本当なの?」
「はい。今からご覧になりますか?すぐにご案内できますよ」
「あ、でも―――今はやめておくわ」
残念そうに薄く微笑み、首を横に振るエミリー。
その傍にいるサリーに、モルトは物言いたげな視線を投げた。
「あ、あぁ、王子妃様?私はいいよ。行ってきなよ。離れるのはほんの少しの間だけだろ?私は、えーと・・・警備責任者っていう・・」
「―――ウォルター、です」
「そう、このウォルターさんと一緒にここで待ってるからさ。行ってきなよ、ね?」


