「・・・分かった。外出を許可しよう。私も一緒に行く。それでいいかい?」
最後の言葉をエミリーに向ければ、数分前のと同じに輝くアメジストの瞳が見つめ返してきた。
「はい。パトリックさん、よろしくおねがいします。それから、サリーさんも、守ってください」
「はい、畏まりました。王子妃、エミリー様の仰せのままに―――」
身を屈めて彼女の手をとり、綺麗な甲に軽く唇を落とした。
不審者には、髪の先ほども触れさせないと、約束しよう。
「サリーさん、薔薇園に行きましょうか」
塔の玄関を出て歩く二人。
私はエミリーの横に陣取り、ウォルターとシリウスは彼女の後ろに。ラウルはサリーの横に配置し周りに気を配りながら進み行く。
彼女を守る私以外は少し離れた位置に配置し、不審者がどこから来ても彼女に辿り着く前に仕留められるようにしている。
二人の楽しげな声を聞き、箒で掃いた落ち葉を集める使用人達が振り返りにこやかな笑顔を向け頭を下げる。
今の時刻は屋内作業が多く、外を出歩く者が少ないのは好運なことだ。
怪しい者も見つけやすい。
「あら?あれは・・・」
「どうしたんだい?王子妃様」
「えぇ、とても素敵なお方を見つけたの。ね、サリーさん、見て。あの方がお話してた方よ」
「へ?どれだい?あーもしかして、あの荷物を持って歩いてる人?あらぁ・・なんだかヨタヨタしてるねぇ・・もしかして疲れたのかね、情けないねぇ・・」
「どこかに出掛けていたのかしら。こんな風に外で会うなんて、初めてだわ」
と。
二人が愉しげにざわめき始めたのに気付き前方に注意を払うと、背の高い男性がこちらに気付きびくんと体を震わせ、そそくさといった感じで道を横切ろうとしてるのが見えた。
明らかに、こちらを避けようとしているのが手に取るように分かる。
案の定、ラウルが走り寄り小声で命を求めてきた。
「パトリック様、あれは・・・?シリウスも反応しております。一応捕えましょうか。ご命令を」
「いや、構うな。彼は―――」
私が名を口にする前に、彼女が大きく手を振りながら「こんにちは!」と呼び掛けて近付いていく。
声を掛けられた者は、見るからにガックリと肩を落とし顔を手で覆い隠した後、荷物を下に置いてその場に佇んだ。
「いつもの姿と違うから、見違えてしまったわ。どこかに、でかけていたのですか?」
「あ・・・買い物に出ていました」
紙袋を指差し、ぶっきらぼうに返事をするこの男、そう―――
「彼は、フランクの助手、リードだ」
最後の言葉をエミリーに向ければ、数分前のと同じに輝くアメジストの瞳が見つめ返してきた。
「はい。パトリックさん、よろしくおねがいします。それから、サリーさんも、守ってください」
「はい、畏まりました。王子妃、エミリー様の仰せのままに―――」
身を屈めて彼女の手をとり、綺麗な甲に軽く唇を落とした。
不審者には、髪の先ほども触れさせないと、約束しよう。
「サリーさん、薔薇園に行きましょうか」
塔の玄関を出て歩く二人。
私はエミリーの横に陣取り、ウォルターとシリウスは彼女の後ろに。ラウルはサリーの横に配置し周りに気を配りながら進み行く。
彼女を守る私以外は少し離れた位置に配置し、不審者がどこから来ても彼女に辿り着く前に仕留められるようにしている。
二人の楽しげな声を聞き、箒で掃いた落ち葉を集める使用人達が振り返りにこやかな笑顔を向け頭を下げる。
今の時刻は屋内作業が多く、外を出歩く者が少ないのは好運なことだ。
怪しい者も見つけやすい。
「あら?あれは・・・」
「どうしたんだい?王子妃様」
「えぇ、とても素敵なお方を見つけたの。ね、サリーさん、見て。あの方がお話してた方よ」
「へ?どれだい?あーもしかして、あの荷物を持って歩いてる人?あらぁ・・なんだかヨタヨタしてるねぇ・・もしかして疲れたのかね、情けないねぇ・・」
「どこかに出掛けていたのかしら。こんな風に外で会うなんて、初めてだわ」
と。
二人が愉しげにざわめき始めたのに気付き前方に注意を払うと、背の高い男性がこちらに気付きびくんと体を震わせ、そそくさといった感じで道を横切ろうとしてるのが見えた。
明らかに、こちらを避けようとしているのが手に取るように分かる。
案の定、ラウルが走り寄り小声で命を求めてきた。
「パトリック様、あれは・・・?シリウスも反応しております。一応捕えましょうか。ご命令を」
「いや、構うな。彼は―――」
私が名を口にする前に、彼女が大きく手を振りながら「こんにちは!」と呼び掛けて近付いていく。
声を掛けられた者は、見るからにガックリと肩を落とし顔を手で覆い隠した後、荷物を下に置いてその場に佇んだ。
「いつもの姿と違うから、見違えてしまったわ。どこかに、でかけていたのですか?」
「あ・・・買い物に出ていました」
紙袋を指差し、ぶっきらぼうに返事をするこの男、そう―――
「彼は、フランクの助手、リードだ」


