彼は私から離れると、私を軽く睨む。




「なんで、レスキュー隊員辞めなきゃならないんだよ」



「………………」



「おまえ、俺の仕事をなんだと思ってるんだよ」



凄い仕事ってことは、分かってる。



誇らしい仕事ってことは、充分理解している。



でも、彼がレスキュー隊員になったのは、私が原因であるのは確か。




パニクったスーパー内で客が倒した棚に、右腕を挟まれて動けなくなった私。



煙を多く吸い込んで、意識を無くした。



そんな私を助けてくれたのは、レスキュー隊員さんだった。




『レスキュー隊員さんが私を助けてくれたんだって!!!!

私将来、レスキュー隊員さんと結婚したい!』




そんな話を、あの時した覚えがある。


それは、彼にでは無かったケド。




でも、私は彼がいる時に言ったんだ。




『レスキュー隊員さん、凄く格好良かった!

レスキュー隊員さんに、なってよ!!』