右手首から肘くらいまで
私には一生残る深い傷痕がある。



彼が高二の時に、火災に巻き込まれて負ったもの。



そして、彼がレスキュー隊員になったのは、私のせいなんだと思う。



私のこの、痛々しい傷のせいなんだと思う。




「なんで
レスキュー隊員なんかになったの?」


「人の命を救えることは凄いことだ。

だから、そんな凄いことを職業にしたかった」




……分かってる。

そんなことが、理由では無いくらい。




彼はただ、

コイツはただ、

私に罪を感じているだけ。




“彼のせい”とも言える傷が、私と彼の関係と、彼の人生すべてを変えてしまった。



ただの遊びのハズだった。


ただの罰ゲームのハズだった。




『負けた奴がスーパーに行って、ジュースと菓子買って来るんだからな』


『うん!!分かった!!

勝負は、あたし得意のトランプね』



『じゃあーババ抜きで勝負すっか!!』



『おぅよ!!』