帰りながら、少し近所が騒がしいことに気付く。
道を歩いていても、救急車や消防車が通り過ぎていく。
近所で何かあったのかな?と考えていると、私の家の前辺りで止まった。
遠くからだからよく分からないケド、確実にうちの前辺りだ。
小麦粉が入ったスーパーの袋を抱えて、家までの道を走る。
「あっ………!」
スーパーの袋を投げ捨てて、野次馬の間を抜けていく。
「……ちゃん……外に出てたのね、安心したわ…
………お母さんは?」
燃えている我が家を見て呆然としている私。
近所のおばちゃんは、肩を叩きながら聞いてきた。
『お母さんは?』って。
「お、お母さんッ!!!!」
消防士達が張りつめたテープをくぐり抜け、家に突き進む。
「コラッ!!
君、危ないだろうッ!」
「いや、お母さんが…
お母さんがッ!」
「燃えが激しくて、レスキュー隊員出ないと、お母さんを助けられない!」