立ち止まってても、しょうがない。
前に進もう。
事故日とは反対の道を歩く私。
額からも、汗がポタポタと落ちていく。
「あつ……ッ」
どうしても、この道からのスーパーは、遠くなってしまう。
歩きでは無くて、自転車を使えば良かったのかも知れない。
暑さに苦しみながら、スーパーに着く。
スーパーの中は家よりも涼しくて、逆に肌寒いくらいだ。
「……小麦粉……小麦粉っと……」
棚に並べられた粉類を見つめ、安くて量の多いのを探す。
「小麦粉…小麦粉…」
私は小麦粉を取ると、涼しいスーパーから出た。
「暑いぃ」
スーパーの中と、外の気温の差が激しい。
今日の夕飯は天ぷら。
早くお母さんのご飯食べたいな。
しかし、来るまでの怖さは何だったんだろう?
スーパーに行くのが、怖くてたまらなかった。
あれは、一体何だったんだろう……。

