「今日じゃないわ」
「え?
じゃあ、いつやるの?」
お母さんは、首を傾げると生クリームを人差し指を使って舐める。
首を傾げたいのは、こっちなんですケド。
「あっ、大変!
小麦粉買い忘れちゃった」
「………嫌だよ?」
「いいじゃない、暇なんでしょう!?
今日の夕飯無しになるわよ」
そう言われると、買いに行くしか無いじゃん。
「分かった。
……行ってきてあげる」
私は財布を持つと、家の前で立ち止まる。
何故か“あの日”と重なってしまって悩む。
事故日は、右に行ったんだっけ?
じゃあ、
今日は左に行こうかな。
暑いのは当たり前のはずなのに、汗が出るなんて当然なのに。
何故だか、もうTシャツの背中はびしょびしょ。
「なんで、今更
スーパーに行くの怖がってんの……」
今までだって、普通にスーパーに行ってたじゃない。
何を今更………。

