執事は少しだけ困った顔をしましたが、

「とにかく日取りは決まっております。
会うだけでも行かれてくださいませ」

と申し、キトの顔を見ず部屋を出ました。

いえ…いい逃げと言う方が正しいでしょう、


「あーもうあのバカ執事がぁっ!!」

キトは少しだけ照れた顔のまま
自分の顔を鏡で見ました。

恋など、キトは一度も経験したことは
ございませんでしたのに、いる、と
いったわけです。執事が驚くのも無理は
ないのですが、キトにとっては
バカにされたようなのでした。

「こんな顔じゃぁ恋なんてな」