「これもこの国のためなのです。
『三つ葉』の国の姫君と夫婦(メオト)と
なれば、『三つ葉』との国交も深まり…」
 
「俺には関係ねーって。この国のために
なんかなりたくねーし。第一、三つ葉
なんて国しらねーよ」

執事が「はぁ」とひとつため息をつき、
こう申しました。

「キト様、特別お好きな方も
 いらっしゃらないのでしょう?」