人魚姫

「は…ぁッ…?!」


カブユは大変驚愕したようで、
声というべきか、なんと言うべきなのか
息をもらしました。


「今…なんて!?」


「…だから…私キト様に恋してしまった
 ような…いや、よく分からないけど、 
 どうしてもキト様にお会いしたい。
 
 会ってお話がしたい…急にそんなこと
 思ってしまって…変かしら?」


「へ、変もなにも…私達は人魚よっ?
 王子は人間。人魚として、タブーを
 破るつもり!?」





なぜか、よく分からないの。

ただ、胸がいきなり苦しくなって…


ライン姫が現れたとたん……



泣きそうになったの。




消え入りそうな声色で彼女__リヨンは
そう仰せになりました。