口でそうは言ってもやはり王子のことが 気になるものです。 二人はそぅっと岩陰に隠れ、 遠くから彼を覗いておりました。 すると____。 一人の女性が王子の近くを 通りかかりました。 身なりからして、かなりのお嬢様のように 見受けられます。 彼女はハッとした顔をして王子に 駆け寄りました。 「キト様!」