海面に王子を寝かせ、リヨンと
カブユはまじまじとその顔を見ました。

本当にあの王子なのだろうか、と。

みればみるほど、その彼の艶やかさに
吸い込まれていくような…

《カッコいい》なんて言葉じゃ表せない
その秀麗な顔立ちに2人はしばしの間、
時を忘れ、見ておりました。

間違いない、王子だ!

「ん、んん……」

カブユはハッとして申します。

「いけない姫、このヒト起きちゃうわ。
 早く行きましょ。見られてしまう
 前に。…姫?」


リヨンは、王子様を見つめたまま
ポー…っとして何も聞こえぬようで
ございました。