翌日、パーティーでは
昨晩より客数が減っていた。

公爵夫人は
私を見つけると近寄って
くだらない下界の話をくりひろげる。
城下ではオリーブオイルが流行りだと。

城下に出られない私には
関係のない話で
何故公爵夫人がこの話をするのか
理解できない。

羨ましく思わせたいのか。
意図が掴めぬまま時間だけが過ぎ
ジャックを探したいけれど
それを阻まれ、もどかしい気持ちだった。

公爵夫人から開放されたのは
それから数十分経ってから。

会場内にはジャックらしき人物はおらず
私は肩を落とした。


どんな理由にせよ
テレパスを捕らえなければならない。
ジャックなら尚更。

大理石の客間に1人でソファーに腰掛け
考えていた。