母親に入院手続きをしてもらっている間に、膝の擦り傷の処置をする。

はるとくんは、じっとしてる。


「…ぼく、入院するの?」

「そうだよ。胸の骨にヒビがはいっちゃってたからね」

「お母さんは?」

「準備があるから一旦おうちに帰ってもらおうと思ってるんだけど」

「…入院したくない」

「そうだよなぁ」


まだ7歳だもんなぁ…

寂しいに決まってる。


「…帰りたい」

「でもまだココ痛いんじゃない?」

「それでもいい!お母さんと帰る」


えぇーっ…困ったなぁ…。

やっぱ、虐待なんかじゃないのかも。

虐待されてるなら母親と離れたいはずだし、帰りたいだなんて言わないだろう。


「うーん…じゃあ、お母さんにも泊まってもらうようにしようか?」


はるとくんは頷いた。