深江数馬はバカ笑いしていた。

つい数日前に白血病と診断された少年とは思えないくらいに。

悪ぶってるくせに、まだ青臭い。

青春まっただ中の16歳の男って感じがする。

他の悪ガキ3人が帰ったあと、やっと落ち着いて話すことができた。


「センセー研修医なんだ?」

「そう、今日から1カ月ここの血液内科」

「研修医ってモテる?」

「モテない。家と病院の往復で、全然休みもないし」

「意外~!カノジョいんの?」

「いるよ」

「ナース?」

「そうだよ」

「まじ!?やっぱさ、ナース服でエッチしたりすんの?」

「はぁ!?アホか!!」


問診したいのに、逆に質問攻め。

とにかくよく喋る。

その隙を狙って、こっちから話題を出す。


「明日から抗がん剤治療が始まるけど、副作用の話は聞いてる?」

「さぁ、忘れた。なんか聞いた気もするけど、どーでもいいし」