古びた看板には“中田自転車店”と書かれていた。
ただ、もう営業はしていない様子で、シャッターは下りている。
意を決してインターホンのチャイムを押した。
しばらく反応がなくて、鳴ったんだろうかと心配になった。
もう一度押そうかと思った瞬間。
自宅兼店舗の奥の方から40代か50代の女性が出てきた。
よく見ると、あの写真に写っていた人にも見えないこともない。
「はい?なにか御用でしょうか?」
「あの…水戸義之さんという方をご存知ですか?」
そうオレが言うと、一瞬表情がこわばった。
知っているんじゃないだろうか?
淡い期待が込み上げる。
ただ、その反応が気になるけど。
「この写真、見覚えはありませんか?」
「…えぇ、私ですけれど…それが何か?」
「城東医科大学病院で水戸義之さんの担当医をしている道重というものです」
「…担当医?」
オレの成りからは医者だとは思えないのか、疑いの目をされた。
年齢よりも幼く見られるのは、この顔のせいなんだけど…。
「私は…もう、あの人とは関係ありませんから…」
「でもっ」
「すみません、失礼します」
ドアを閉められそうになって、慌てて話を続けた。
「水戸さんはっ!水戸さんは、今意識がなく、危険な状態です!」
「だからなんですか?あの人とは別れたんです。私はもう関係ありません」
「連絡の取れるご家族がいらっしゃらないようですので、こちらも困っているんです」
「そんなこと言われても…」
確かに、そうかもしれない。
別れたダンナのことなんて、思い出したくもないかもしれない。
「水戸さんのご両親は…ご存知ですか?」
「…あの人の若いころに2人とも亡くなっています」
全滅じゃないか…。
ただ、もう営業はしていない様子で、シャッターは下りている。
意を決してインターホンのチャイムを押した。
しばらく反応がなくて、鳴ったんだろうかと心配になった。
もう一度押そうかと思った瞬間。
自宅兼店舗の奥の方から40代か50代の女性が出てきた。
よく見ると、あの写真に写っていた人にも見えないこともない。
「はい?なにか御用でしょうか?」
「あの…水戸義之さんという方をご存知ですか?」
そうオレが言うと、一瞬表情がこわばった。
知っているんじゃないだろうか?
淡い期待が込み上げる。
ただ、その反応が気になるけど。
「この写真、見覚えはありませんか?」
「…えぇ、私ですけれど…それが何か?」
「城東医科大学病院で水戸義之さんの担当医をしている道重というものです」
「…担当医?」
オレの成りからは医者だとは思えないのか、疑いの目をされた。
年齢よりも幼く見られるのは、この顔のせいなんだけど…。
「私は…もう、あの人とは関係ありませんから…」
「でもっ」
「すみません、失礼します」
ドアを閉められそうになって、慌てて話を続けた。
「水戸さんはっ!水戸さんは、今意識がなく、危険な状態です!」
「だからなんですか?あの人とは別れたんです。私はもう関係ありません」
「連絡の取れるご家族がいらっしゃらないようですので、こちらも困っているんです」
「そんなこと言われても…」
確かに、そうかもしれない。
別れたダンナのことなんて、思い出したくもないかもしれない。
「水戸さんのご両親は…ご存知ですか?」
「…あの人の若いころに2人とも亡くなっています」
全滅じゃないか…。

