海風が優しく頬を撫でる、夏の夕暮れ。 俺は最後の客を送り出すと店じまいを始めた。 おじさんおばさん達は近くにある自宅に帰して、俺は見張りを兼ねてここに泊まる。 あの歳でこの海の家で寝泊まりは、身体に堪えるだろう。 そういう意味での男手でもあるのだ。 休憩用の畳敷きの座敷に、一人大の字で寝る醍醐味は一度味わったら止められねぇ。 ってのは、この俺くらいのもんかもしれねぇが。 ヨット部の連中は、合宿で鍛えた俺みたいな野生児が大半なので、こういう仕事に向いているのかもしれない。