「な、に?これ…」
「ラブレターじゃないのか?」

「…」

「とりあえず、持っとくか。」



俺たちは最後の目的…校長室へと向かう。



きゃはっ あはは


校長室に近づくにつれて、笑い声がする。 これは…岡本、か?

「いやあ゛ぁあ!」
俺は駆け出した。今の悲鳴は几亥谷だ。それも、校長室から聞こえた。

俺は校長室の扉を開く。

…信じがたい光景だった。

岡本が笑いながら鋏で几亥谷をメッタ刺しにしている。

几亥谷はもう死んでいるのだろうか、ビクともしない。

「…ぁ」

「几亥谷さん!?」

「…」

岡本が俺たちをみ、にたぁーと笑う。

俺は正直どうしたらいいかわからないし、ものすごく逃げ出したかった。

「進藤くんっ!」

翠さんが俺を引っ張る。

「みど…」

「岡本さんの!岡本さんから鋏を奪って!!」



無理。



「鋏が!悪いの!」
俺は翠さんを抱き上げ、来た道を戻ろうとして、校長室の扉を開ける。

「みィーつけた」

目の前には、女がいて、翠さんに向かって手を伸ばす。

「…は」

俺はとっさに翠さんを横に投げる。首を捕まれた。

片手でポケット内に残った塩を掴む。

ざぁっ!

勢いよくなげつけたのに、女はビクリともしない。

手がガラス片で切れた。

ふと横目で翠さんを見ると、翠さんはそこにはすでにいなかった。

俺はもう一度塩を取りだそうとして、手紙を落とした。

「…」

急に女が手を離す。俺はしたたかに腰を打った。

「っ!て…けほっ!かっ…けほっけほっ…」

女は手紙を愛おしそうに見る。

おれは他のものも渡すことにした。