午後8時。 真っ暗な校舎に入るのはとてもたやすかった。 無人の事務室玄関から入ればオーケーだ。 「事務室前玄関あけっぱとか、うちの学校だけよねぇ…」 奈津紀がしみじみと言う。 「肝試しの内容は…?」 翠が冷静に言う。 新が言う。 「んー、あれだ。あれ」 「なんだよ」と奏太がツッコむ。 「二人一組になって、一通り回ればいいんじゃん?」 なんてアバウトな。