「書けたか?」
「はい」
私は、真壁さんに紙を渡した。
それを見る真壁さん。
「電話番号は?携帯とか……」
「うち、家電ないんです……。それに私は携帯を持ってないんで……」
「そっか。あっ!もすうぐ誕生日なんだな」
「あー……はい……」
私は8月29日が誕生日で、あと10日ほどで15歳の誕生日を迎える。
「あの、真壁さん……」
「俺の事は先生って呼べって言ったろ?」
「あっ、ゴメンなさい……。あ、あの……真、いや、先生?」
「今、真壁さんって言いかけたろ?」
真壁さん、じゃなくて先生はそう言ってクスクス笑った。
「ゴメンなさい……」
「まぁ、いいけど。さて!片付いたし、飯に行くか!」
真壁さんは、そう言って背伸びをした。
今日から真壁さんは、私の先生になった。



