「なぁ、かべっち?これの続きねぇの?」
かべっち?
茶髪の男の子が手に持っていたマンガを真壁さんに見せながらそう言った。
「……って、その子、誰!?」
男の子の言葉に、その場にいた皆が一斉に私の方を見た。
皆に見られる恥ずかしさ、ヤンキーっぽい人たちと話したことがないから、怖いという思いで、私は下を向いた。
「さっき、玄関にいた子だよね~?」
さっき、玄関で会った女の子がそう言った。
「春風ちゃんの彼女?」
「えっ?かべっち、彼女いたの!?」
「いや、あの性格じゃ女なんて出来ねぇだろ」
皆、それぞれ言いたい放題だ。



