生暖かい風が吹き抜ける。 屋上のフェンスに向けて歩き出す。 私の身長より高い落下防止のフェンス。 フェンスから下を見た。 植え込みや自転車置き場が見える。 目線を下から上に持っていく。 ここを登れば……。 “トクン――トクン――” 胸の鼓動が激しくなっていく。 風が吹き抜ける。 “トクン――トクン――” フェンスに手をかける。 この先に見えるのは天国なのか、それとも地獄なのか……。 でも、これで全てが終わるんだ。 もう、これで……。 サヨナラ――……。