終わったあとは、お兄ちゃんは前の時と同じように、ベランダに出てタバコを吸っていた。
私から見えるお兄ちゃんの横顔は、やっぱり切ない顔をしていて……。
タバコを吸い終わった、お兄ちゃんが部屋の中に入って来た。
「いつまでそこで寝てるんだよ」
お兄ちゃんはそう言って、私の腰を蹴ってきた。
「…………いっ!」
痛みで顔が歪む。
「早く出ろよ!邪魔だ」
私は、気だるい体を起こした。
「お兄ちゃん……」
私の呼び掛けに、何も言わず、こちらを見ただけだった。
「お兄ちゃんの目に映った空は何色だった?」
私の質問に、お兄ちゃんは黙ったまま私を見ていた。
しばらくの沈黙のあと……。
「…………仕事、行ってくる」
お兄ちゃんは、それだけ言うと部屋から出て行った。
切ない顔をして、空を見上げていたお兄ちゃんの目に映った空は何色に見えたんだろう……。



