「さて、そろそろ帰るかな……」 真壁さんはそう言って、背伸びをするとベンチから立ち上がった。 「お前は?どうする?」 「私は、もう少しここにいます」 「そっか……」 「あっ!これ……」 私は、ポケットの中に入ってたアメ玉をひとつ出すと、真壁さんに差し出した。 「ん?これ、何?」 「お礼です……。こんなことしか出来ないけど……」 「サンキューな」 真壁さんは笑顔でアメ玉を受け取ってくれた。