「空ってさ、見る人によって違う色に見えると思うんだ。それは、その人の心を表しているんだよ。まぁ、それは俺が勝手にそう思ってるだけなんだけどな」
真壁さんは私の方を見てクスッと笑った。
心を現している……。
「真壁さんは、何色に見えますか?」
「ん?俺?俺は……」
真壁さんはそう言って、真上に向いた。
そして、私の方を向くと……。
「悲しい色に見える、かな……」
悲しい色。
それは今、真壁さんの心が悲しいってこと?
「真壁さんは今、心が悲しいんですか?」
「日和の辛い話を聞いたからかな……」
真壁さんはそう言うと、再びクスッと笑った。



