【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空





「私に歩いて帰られては困ると慌てた両親は、早く病院に行こうと裏道を車で飛ばして、それで……。

信号のない交差点を一時停止無視して……その時、左からバイクが来ていて……気付いて避けた時には遅くて……。

バイクに乗っていた男性は転倒して亡くなったらしいです……。

両親の車はバイクを避けきれなくて電信柱にぶつかって……」


「そっか……辛かったな……」



真壁さんの言葉に、私は首を左右に振った。



「両親が亡くなったことで、大学を辞めて働かなきゃいけなくなったんです。楽しかった大学生活も夢も両親も、私のワガママな一言で奪ってしまったんです……」



だから私に比べたら、お兄ちゃんの方が……。


そこまで話して、私の目からは大粒の涙がポロポロこぼれ落ちていった……。