【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空





「お前さぁ……」



真壁さんが、ハンバーグを食べていた手を止めた。



「本当はお腹空いてんだろ?」



私は頭を左右に振った。



「公園で話してる時に、腹がグーグー鳴ってたくせに」


「えっ?」


「俺は、耳と目だけは昔からいいんだよ。それに、ちゃんと飯食ってんのか?」



私は何も言わず“コクン”と頷いた。



「嘘つけ!そんな栄養失調みたいな細い体して……。本当はろくなもん食ってねぇんだろ?」



真壁さんに本当のことを言われて、私は下を向いた。



「なぁ、日和?お前に何があったのか、根掘り葉掘り聞こうとは思わない。だけどな、人の好意は素直に受け取れ」



私は顔を上げて真壁さんを見た。



「ほら、冷めないうちに食いやがれ」



真壁さんはそう言って、私に優しい笑顔を見せた。