「……お、兄ちゃん?」 絞り出すように、お兄ちゃんを呼ぶ。 「お前は、いいよな……」 お兄ちゃんは無表情のまま、そう呟く。 「えっ?」 「何も考えないで、何もしないで1日が過ぎて……。人に頼って、のうのうと生きて……」 お兄ちゃんが何が言いたいのかわからない。 「自分は中学生だから、それが当たり前とか思ってる?」 私は首を左右に振る。 「なぁ、日和?俺がさぁ、どんな気持ちで今まで生きてきたかわかる?」 そう静かに言ったお兄ちゃんの声は少し震えていた。