2歳の頃に大病を患い、入退院を繰り返していた私。
9歳だったお兄ちゃんは、私に付きっきりだった両親に甘えたくても甘えられず、ずっと寂しい思いをしてきたのかもしれない。
あの頃から家族という歯車は狂いはじめていたのかもしれない……。
私がワガママなんて言わなかったら、私が大病を患わなかったら……。
もしかしたら、普通のどこにでもいる家族として幸せに暮らしていたかもしれない……。
『お前が、親父とお袋を殺したんだ!』
『お前が、代わりに死ねば良かったんだ!』
両親の葬式の日に、お兄ちゃんにそう罵倒された。
お兄ちゃんは通っていた大学を辞めて働き始めた。
それと同時に、私の地獄の日々も始まった……。



