「うるせぇ!お前さぁ、毎日毎日、外をほっつき歩いていいご身分だな」
アノ人はそう言って、私の髪を掴んだままその手をグイッと上げた。
だって、それは……。
私だって毎日、外に出たいわけじゃない。
「しかも、ちゃんと帰って来るしな。帰って来なくていいのによぉ!」
眉間にシワを寄せ、怒鳴るアノ人を私は見つめていた。
「何だよ……その目は……。ああ?」
「ゴメン、なさい……。ゴメン、なさい……」
私の口から出るのは、いつもゴメンなさいの言葉で……。
「お前を見てるとムカつくんだよ!俺の人生をメチャクチャにしたお前を……」
アノ人はそこまで言うと、私の髪を掴んだ手を上下に振った。
“ガンガン”とフローリングの床に私の頭が打ち付けられる音が響く。
私はこのまま死んじゃうのかな……。
死のうって決意したんだから、このまま死ねたらちょうどいいかも……。
朦朧とする意識の中、私はそんなことを思っていた。



