「おいっ!」
アノ人の怒鳴り付ける声。
「…………」
声が出ない。
てか、恐怖で声を出せないと言った方が正しい。
「お前さぁ、まだ生きてたんだ。なかなか帰って来ねぇから、どっかで死んでんのかと思った」
「……ゴメン、なさい」
俯いたまま、そう言うのが精一杯で……。
「はぁ?謝るくれぇだったらなぁ、さっさと死ねよ!このクズが!」
アノ人は、そう怒鳴ると、私の脇腹を蹴ってきた。
その勢いで床に倒れ込む。
蹴られた脇腹が痛くて顔が歪み、涙が零れた。
「何とか言えよ!」
アノ人が私の髪を掴んで引っ張る。
「やめて……。お願い、やめて……お兄ちゃん……」



