「日和はさ、兄貴のことも何もかも自分のセイだって自分自身を責めてたけど、日和は十分、苦しんだよ。だからな、これからは幸せになろうな。俺と一緒に幸せになろうな」 「うん……」 私の手を握っている先生の手に力が入る。 もう、この手を離さない。 先生、ありがとう……。 「なぁ、日和?」 「ん?」 「今、お前の目に映っている空は何色に見える?」 夏のあの日、先生に同じ質問をされた。 あの頃の空の色は、切ない色をしていた。 でもね、今はね……。