【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空




“ポタ――ポタ――”


便箋に涙の雫が落ちていき、ボールペンで書かれた字に滲んでいく。


“ポタ――ポタ――”


次から次へと落ちていく涙。



「うぅ……ふっ……」



バカだ。


お兄ちゃんはバカだよ。


手紙に書いてることと、やってることが違うじゃん。


矛盾しまくりだよ。


何が“生きろ”だよ。


何が“死のうとか考えんじゃねぇぞ?”だよ。


バカだよ。


大バカだよ。


何で死んだの?


ねぇ、お兄ちゃん……。


何で死んだの?


私に生きろとか言うなら、お兄ちゃんだって生きて生きて生き抜けば良かったじゃん。


私を残して逝くなんてズルいよ。


“お前のお兄ちゃんで良かった――”


この言葉、生きてるうちに聞きたかったよ?


こんな手紙じゃなくて、お兄ちゃんの言葉で聞きたかったよ?


バカ!お兄ちゃんのバカ!


私は手紙をギュッと胸に抱き泣いた。


ワンワン泣いた。


今までにないぐらい大声を出して泣き続けた。