【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空




日和へ――。



この手紙を読んでいるってことは、俺はもうこの世にはいないってことになるのかな。


日和が、俺に空の色は何色に見えるか聞いてきたことあったよな?


あの時、俺の目に映っていた空の色は透明だった。


俺の目には空の色なんて何も映ってなかった。


あの頃の俺の心と同じようにな……。


今、俺には空の色が何色に見えるだろうな……。


綺麗な青色に見えたらいいな。


日和は、今、目に映ってる空は何色に見える?


日和にも綺麗な青色に見えてるといいな。




日和、ゴメンな……。


今までゴメンな。


沢山、苦しめたな。


沢山、悲しませたな。


沢山、辛い目に遭わせたな。


でもな、もう苦しまなくていいからな。


悲しまなくもいいからな。


辛いことがあったら空を見て笑え。



日和?


お前は生きろよ。


何があっても生きろ。


生きて生きて生き抜け。


絶対、死のうとか考えんじゃねぇぞ?


これは、お兄ちゃんから日和への最後のお願いだからな。


最後の約束だからな。



日和、ありがとう。


今まで、ありがとう。


俺、お前のお兄ちゃんで良かったと思ってる。



じゃあな、日和。



青翔より――。