ズルズルと鼻から出る鼻水。
ポタポタと落ちる涙。
「お兄ちゃん!ねぇ、お兄ちゃん!何やってるの!ねぇ!」
手で鼻水と涙を拭いながら、必死にロープを解く。
「いやだよ!ねぇ、いやだ!お兄ちゃん、いやだよ!」
“ドサッ”と落ちるお兄ちゃんの体。
氷のように冷たくて……。
「ねぇ、お兄ちゃん!起きて!朝だよ!ねぇ、お兄ちゃん!」
お兄ちゃんの体を必死に揺する。
でも、何も反応がなくて……。
私は、お兄ちゃんの体をギュッと抱きしめた。
冷たくなったお兄ちゃんの体をギュッと抱きしめたまま、私はワンワン声を出して子供のように泣き叫んだ。