真っ暗なダイニング。 物音ひとつしない部屋の中。 お兄ちゃん、いないのかな? ……いや、そんなはずはない。 下を向くと、お兄ちゃんの靴がある。 いつも、部屋の中って、こんなに静かだったっけ? いつもと違う空気に胸がゾワゾワする。 ダイニングの電気をつけ、靴を脱いで上がった。 もしかしたら、お兄ちゃんは寝ているのかもしれない。 そう思い、起こさないように静かに静かに歩いて、私は自分の部屋の中に入った。