【先生×生徒シリーズ】あの日、僕等が見ていた空





「えっ?」



先生の過去……。


1年前まで中学校教師だったという事実を聞いて驚く私。



「小さい頃から教師になるのが夢でさぁ。教員免許取って大学を卒業して……」



私は先生の話を黙って聞いていた。



「憧れの教師としての生活が始まったわけだ。新任のくせに俺は1年生の担任をすることになってな……」


「うん……」


「生徒も1年生で、俺も教師1年生で……。

右も左も何もわからない俺は、とにかく楽しいクラスにしようと、笑顔の絶えないクラスにしようと頑張った。

その甲斐あってか、楽しいクラスで笑いの絶えないクラスになったよ。

教師になって本当に良かったと心からそう思ったんだ……」


「うん……」


「でもな、そう思っていたのは俺だけだったんだ……。楽しく笑いの絶えないクラスで良かったと思っていたのは俺だけで……」


「えっ?」



私は先生の横顔を見上げた。