夜の屋上は少し肌寒い。
夏休みだった、あの日、ここで先生と出会った。
そのことが鮮明に思い出される。
あまり高くないマンションの屋上。
でも屋上のフェンスから見える夜景は凄く綺麗。
「さっきのことは、もう気にするな」
「うん……」
「あの子、マイって子だっけ?」
「うん……」
「もう何もしてこないと思うから心配しなくていい」
「えっ?」
マイが?
あのマイが何もして来ない?
あれだけ私をイジメていたマイが?
「どうして、ですか?」
「ん?それは秘密だ」
先生がクスッと笑う。
先生はマイに何を言ったんだろう……。



