「てかさぁ、何で春風ちゃんは無傷なのよ?」
樹里ちゃんが先生にそう聞いた。
「俺、平和主義だから喧嘩嫌いだし~。このイケメンな顔が傷付いたら嫌だろ?」
先生はそう言ってクスッと笑った。
「何、それ~」
樹里ちゃんもゲラゲラ笑う。
「かべっちが公園に来た時の第一声が、おまわりさーん!こっち!だからな」
そう言ったのは蒼くん。
「そうそう、そんでアイツら一斉に逃げだしたんだよな。おまわりなんていねぇのに」
「で、逃げようとしたベンチに座ってた女の腕を掴んで説教始めるしさぁ」
えっ?
マイを説教?
「うるせぇ!だから俺は平和主義なんだって!」
「嘘つけ!喧嘩がよえーだけじゃん」
男の子たちがケラケラ笑い、女の子たちもケラケラ笑ってる。
さっきまでの緊迫した空気が一変して、今はリビングに笑い声が響いていた。



